日本酒をいろいろと開拓してみたいけど、一人酒場は自分にはハードルが高いかも…。そんな方にもおすすめな酒場が、名古屋に3店舗を構え、豊富な日本酒とおばんざいが人気の「ぽろホームメイドキッチン」です。今回は若者や観光客で賑わう円頓寺商店街からほど近くにある「円頓寺店」を訪れました。

円頓寺商店街は名古屋駅と名古屋城のちょうど中間に位置し、地域でも最も古い商店街のひとつと言われています。近年は昔ながらの風情と新しい感性のお店が入り交じり、特に休日は非常に活気があるスポットです。

今回の目的地「ぽろホームメイドキッチン 円頓寺店」は、円頓寺商店街のゲートから丸の内方面へ少し歩き、アーケードから1本脇に入った路地に現れます。目印になるのは、夜空に浮かぶお月さまのような丸い看板。日中は商店街を散策して、夕方夜目にここで一杯…なんて使い方をおすすめしたくなるロケーションです。

全国各地の美味しい日本酒とおばんざいがお出迎え

カウンターの一席に腰掛けメニューを眺める前に、まずは一息「とりあえず」の生ビール（680円）を注文。円頓寺散策で乾いていた喉を潤します。

目移りするようなメニューをサッと眺めたのちに、ひとまずのおつまみにと「おばんざいもりあわせ 中 （1,500円）」を注文しました。カウンターの上にもおばんざいは並んでおり、もちろんそこからも注文できるのですが、私は初訪問の店ではなるべく「お店のおすすめ」を選ぶようにしています。

そうこうしているうちに「お通し」がやってきました。なんと、真ん中のおちょこに入っているのは日本酒です。「ウチは日本酒を楽しむお店ですよ」。そんな店主の並々ならぬ自信と矜持が感じられますね。内容は日によって変わるらしく、この日はレモン風味の日本酒でした。

しばらくして、先にオーダーした「おばんざいもりあわせ中」がやってきました。ひじきの煮物に鯖の山椒煮、カレー風味の牛肉しぐれ煮、厚揚げ、白身の南蛮漬け、ベーコン＆ブロッコリーのペペロンチーノなどなど…和風のおばんざいにひと工夫を加えた、和洋折衷のラインナップです。最初に来たお通しにもおばんざいがついていたので、カウンターの上が何だかスゴいことになってしまいました。酒場で長居は野暮と承知していますが、チビチビ食べる私はこれだけで1時間は楽しめそうです。

こうなってくると酒が足りないぞ、ということで2杯目はお店の名前が冠された「ぽろハイボール（550円）」をオーダー。こちらはワンドリンクサブスク「フラノミスタ」を店員さんに見せて、無料でサービスいただきました。　※ジョッキは一番搾りですが中は美味しいハイボールでした。

徐々に役者が揃い余裕が出てくると、熱々のメニューも食べたくなるのが人情です。ハイボールに合う何か旬のものをと「春野菜の天ぷら（750円）」をオーダー。居並ぶのはゼンマイ、タケノコ、タラの芽、ふきのとうなど、旬の山菜オールスターズ。ぽろでは調理に「100％国産米油」を使っているそうで、こちらの天ぷらもほろ苦い山菜たちがサラッと軽く揚げられており、思わず笑みがこぼれる美味しさでした。

店内には好みの日本酒を探しやすい工夫も！

おばんざいと天ぷらですっかり満足してしまいましたが、ここで肝心なことに気づいてしまいました。そう、まだ日本酒を頼んでいなかったのです。今の自分は何を飲みたいのだろう…と改めてメニューや店内を見渡すと、店内の中程の壁にこんなボードがあるのを見つけました。

お店にある全国の日本酒をテイストごとに分類したマッピングボードです。後で店員さんに聞いたところでは、日本酒に詳しいスタッフが不在のときでもお客さまに好みの日本酒を選んでいただけるようにつくったものなのだとか。見ているだけでワクワクしますし、いろんなタイプの日本酒を試してみたくなりますね。

ちなみにメニューにも好みの日本酒を選ぶ指針となるガイドがありました。香りだけでも4パターンに分類されていて、これを意識しながら飲めば美味しい日本酒がより美味しく飲めそうです。

この日は悩みに悩んで、岐阜の地酒「百春（グラス820円）」をチョイス。優しいお米の甘さとすっきりとした酸味を感じる、とても飲みやすい日本酒でした。まるでワインボトルのようなラベルもオシャレ！

最後に注文したのは「ホタルイカ 菜の花とからし浸し（600円）」。ホタルイカのワタのうまみとほろ苦い菜の花、爽やかなからしの風味が絶妙にマッチ、日本酒との相性もばっちりでした。

米と日本酒にこだわりながら、アットホームで誰でもくつろげる雰囲気が魅力の酒場「ぽろ」。初心者上級者を選ばず、日本酒好きの方なら誰でもおすすめできるお店でした。次回訪れるときは、お腹を空かして〆の「釜めし」もぜひ食べたいです！（編集部I）